ごあいさつ
地方自治は「民主主義の学校」
楽しみながら学ぶ。検定試験の流行は日本の特徴だと思います。そこで、地方政治についても検定を。不見識だと批判する方もいるでしょう。でも、市民社会の充実を図る一つの契機にはなるのではないでしょうか。
もちろん、議員の資格試験、あるいは議員を選ぶ資格試験ではありません。国民は、18歳になれば選挙権を、25歳(あるいは30歳)になれば被選挙権を得ることができます。選挙にはそれ以外の資格は必要ありません。
ただ、現状のままでいいのでしょうか。政治家への批判は激しい。選挙をしたのはいったい誰なのか。いや、投票に行かないで批判する人も多いのではないでしょうか。
地方自治は、「民主主義の学校」です。私たちは、義務教育の中学までに政治や社会・経済の仕組みを学んできました。でも、その応用を学校では教えてくれません。議員力検定の特徴の一つは、地域に問題があることを発見した際に、どうしたら主体的に解決できるかを学び考えることができることです。
市民社会にとって必要なのは、知識ではありません。市民感覚で発見した問題を討議する言説空間としての公共空間を作り出すことです。そのためには、知識を統合し討議する主体が不可欠です。
この検定で、新しい社会がすぐに生まれることはないでしょう。でも、この検定を通じて学んだ知識や考え方を生かして、社会とかかわり、選挙を行う。そして、監視し、自らも行動する。さらに、こうした市民みずからが議員となることも必要でしょう。
地方議会改革は急激に進んでいます。それを担う市民と議員が、この検定を通じて一人でも増えることを祈念しています。
山梨学院大学教授
議員力検定協会共同代表
江藤 俊昭