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第1回議員力検定を受検してくださった大学生の方からメッセージをいただきました。

気軽に政治を考え、議論できる国へ

 はじめまして。私は松戸市議会議員の下でお世話になっている政治サークル「松戸政治塾」で活動をしている、菊池と申します。この度は、2009年8月6日に行われた松戸政治塾が独自に企画・運営する議会報告会の一部で取り上げさせていただいた話題「議員力検定」の報告を兼ねて、寄稿させていただきます。

 松戸政治塾とは2009年4月に議員インターンシップで知り合った有志数人で立ち上げたもので、「真剣に日本の未来を議論しよう」といったものではなく、「楽しみながら政治の理解を深めていこう」といった趣旨で結成された政治サークルです。なので、活動内容としては、定期的なブログによる意見表明・愛媛県上島町弓削島での地方自治研修・議会傍聴・市民マラソンへの参加・そして前述の議会報告会など、政治に関する知識が薄い学生でも気軽に参加しやすいように設定してあります。
 特に議会報告会の活動には力を入れており、企画・運営のほとんどを学生主体で行っております。具体的には、駅頭演説による広報活動・会場の設営・資料の作成・当日の司会などで、ここではソーシャルスキルの向上を目的としています。また、議会報告会に独自色を出すために各会で学生による学生目線の旬な話題を30分ほどかけて紹介して、議会報告会の参加者で話を深めています。その話題として、今回は「議員力検定」を取り上げさせていただきました。

 松戸政治塾が「議員力検定」を知ったのは、2009年春のことです。お世話になっている松戸市議会議員の紹介でした。私はちょうど同じころ議員インターンシップで生の政治というものに多く接していたので、当初はそこで得た経験を知識として整理すること、成人になるにあたってさらに政治の知識や問題点を学んでいくことを目的に受検を決めました。のちに、それだけではないこの検定の真の有用性を自分なりの解釈ですが感じるようになります。

 みなさんは、日本の政治のイメージがどのようなものかと以下の二つの選択肢で問われたとき、どちらを選択しますか。「どちらかといえば良い」、「どちらかといえば悪い」。おそらく、日本人のほとんどが後者を選択すると思います。少なくとも、議会報告会に参加してくださった方々に同様の質問をした結果、全員が後者を選択しました。では、その「どちらかといえば悪い」イメージを払拭するため、「どちらかといえば良い」イメージに変えるために、あなたは何をしていますか。この問いに関しても同じく質問をした結果、「議会報告会に参加する」といった意見しかでてきませんでした。
 私の周囲を見渡す限り、友人・家族・マスコミを含めて、「どちらかといえばイメージの悪い」政治に対して批判する人はいても、その改善策について考えたり議論したりする人は多くあません。それは、政治に対する諦めもあると思いますが、政治の知識の欠如もあると考えます。
 野球を例にとってみます。応援している野球チームに不振が続いたとき、当然我々は活躍をしていないチーム、監督、選手を批判することでしょう。しかし、政治と違うところは批判をして終わりではなく、必ずなぜ不振なのかを自分なりに考えて議論し、足を引っ張っている監督や選手の目星をつけるところです。だからこそ監督や選手は一層の努力をします。
 では、なぜ、批判だけでなく考え議論ができるのでしょうか。それはもちろん、興味があるといった部分が大きいと考えられますが、選手の能力・野球の戦い方・ルールを知識としてしっかりと理解しているからです。これらの知識が欠如していては、議論しようにも議論することができないはずです。
 政治に関しても同様のことがいえます。議員の能力、つまり実績や政策・政治の仕方・ルール、つまり法律や規則を理解していなければ、議論しようにも議論ができません。逆に、これらの知識をしっかりとはいわずとも、大まかにでも理解していれば議論することは十分可能になります。しかし、このためにただ単に事実を学んでいくことは苦痛以外の何物でもありません。そこで、検定として学習できる「議員力検定」を受検することで、松戸政治塾設立趣旨でもある「楽しみながら政治の理解を深める」こと、つまり楽しみながら政治に関する知識を吸収していくことができるのです。

 そのような検定を実際受検してみて、良くも悪くもいくつかの感想を抱きました。
 良い面では、やはり政治に関する知識が深まったということです。検定ということで、高校の授業の試験では苦痛でしかなかった政治経済ですが、すんなりと知識を吸収することができました。今後、その知識を活用して政治に対する考えを深め、できるようであれば議論する環境に身を投じたいと考えています。悪い面では、「議員力検定」の守備範囲を逸脱し、議員個人の問題となってしまうので実際に出題することは困難かと思いますが、真の議員力という理想を考えると、閣僚の議員の政策に関する問題くらいは出題すべきだったということです。野球の例を用いると、野球の戦い方やルールを知っていても、選手の能力を知らないという状況と同じで、これでは議論が深まりません。

 さて、このような個人の考えも交え、議会報告会にて「議員力検定」を紹介させていただきました。報告会に出席くださる方々は比較的政治に対する関心度が高いので、終始受検方式や問題の難易度など活発な意見や質問があがり、参加者全員の検定に関する理解が深まったと考えております。また、参加者のより深い理解を目的としてジュニア級、一般級、議員級の過去問題から数題ずつ取り上げた例題では、「請願」と「陳情」の違いなど知っているようで知らない言葉、「裁判員制度」など理解しているようで理解していない制度を問う問題を中心に出題した結果、やはり「知らなかった」「理解していなかった」という旨の感想をいただきました。
 参加者の一人は、今後「議員力検定」を受検することを前向きに考えてくださっています。このような議会報告会やその他さまざまな活動を通じて検定の認知度を草の根的に広めていくことで受検もしくは楽しく学習してくださる方々が増え、気軽に政治を考え議論していく輪が広まり、いつか日本の政治のイメージが「どちらかといえば良い」という方向へ向かう日を切に夢見ております。

2009年8月29日  菊池